みなさんこんにちは、シーバスアンバサダーの平林峰彦です。
ブログが一新され、初の投稿ですので、自己紹介からしたいと思います。
タイトルにもあるように釣り具店の店長をしており、東に「旧江戸川」と西に「荒川」「中川」があり、東京湾奥の有名河川の間にある店舗におります。また、雑誌「ザ・シーバス」の連載が13年目に突入し、東京湾をメインに年中シーバスを狙っています。
バチ抜けとは?
バチとは、餌釣りでよく使う「青イソメ」などの環形動物を総称して言います。
釣具屋あるあるですが、お店にある蓄養水槽の中にいる青イソメやジャリメもこの時期はバチ抜けすることがあります。
もともと、地中にいるバチが産卵のため、地中から「抜け」出て、水中を漂うことから、
バチが抜ける→バチ抜け になります。
いつ抜けるの?
場所やエリアによって、抜ける時期は異なりますが、早い場所では12月から「始まった」という声を聞きます。遅い場所では、6月まで続く場所もあります。私の感覚では、極寒期の12月から2月までは、10cm以上の大きめのバチが河川を中心に抜けます。通称「川バチ」そして、3月に終息していきます。次に、10cm以下の小さめのバチが運河筋や港湾部で4月から始まり5月のゴールデンウィークが最盛期となり、6月に終息していきます。通称「クルバチ」「コバチ」
時合いは?
バチ抜け前半の極寒期、川バチが中心の時期は、大潮後半~中潮で夕方日没後に満潮になる日を選びます。満潮から干潮までバチが抜ける可能性があります。ただ、近年時合いが短くなった気がします。数年前までは満潮から2時間釣れていたが最近は30分で時合い終了してしまいます。川の流れが満潮直前に止まる時抜け始め、バチが少ない状況が時合いです。徐々に下げの流れが始まるころには、大量のバチが抜け、シーバスがルアーを見つけにくい状況になり、キャストしても毎回ルアーにバチが引っかかってくるようになってしまいます。バチが多すぎても釣れないので、少量のバチが流れてくる場所やタイミングが重要です。
バチ抜け後半の運河や港湾部でも、川バチと同じ大潮後半から中潮がベストなタイミングですが、最盛期になると、小潮や若潮、長潮にも抜ける場合が出てきます。また、下げ潮だけではなく、上げ潮でも抜けます。小規模なエリアで小規模なバチ抜けが起こります。パターン化するのは難しいですが、時合いを外してしまっても、ランガンスタイルで数カ所回ると、突然のバチ抜けに遭遇する可能性が高くなってきます。
バチが見えなくても
時合いとなる時間に、釣り場へ行っても、バチが見えない時があります。しかし、表層の水温が冷たいとか、風が吹いて水面が波立っているとか、バチの量が少ないときなど、いろいろな条件がありますが、「底バチ」と言って、目視でバチは確認できないが、底の方にバチがいるときがあります。シンキングペンシルで底を流すと釣れる場合があり、シーバスの口の中にバチが入っていることがあります。バチが見えて、水面にライズがあるような場合は、フローティングや表層を引けるシンキングペンシルが有効です。
では、なぜシーバスはバチを捕食するのか?
シーバスの産卵期は12月から1月と言われています。個体差はあるものの、冬の間水温が低くなる河川から水温の高い海へ出ていき、産卵します。産卵で体力を使ったシーバスは、体力回復のために餌を探しますが、動きの速い小魚はなかなか食えません。そこで、動きの遅いバチはうってつけの餌となるのです。
ルアー~タックルまで
バチ抜けの基本を書いたところで、次はバチ抜けに必要な道具を説明します。
釣りの基本は、まずは対象魚の習性を知るところから、どこにいて、何を食べているかを知ったうえで、魚に近いところから、選んでいきます。
まずルアーは、バチを模した形、細身のシルエットでルアーの長さ、重さを変えて、表層からボトムまで攻めるため、バチの大きさやレンジによって使い分けます。
Hベイト 140mm、14g
川バチや10cm以上のバチ、表層をゆっくり攻めるとき、飛距離を出したいときに多投する。流れの緩い港湾部で浮かせておくだけで、釣れることも。
ハイドロアッパースリム100S 100mm、10g
バチ抜けルアーの中核。川バチやクルバチまで使えるオールラウンダー。リトリーブを早めると表層引き波、緩めると水面直下を引ける。バチ向けカラーも7色展開。
パンチラインスリム90 90mm、12g
足場の高いポイントや風が強いときに操作性が高い。また、底まで沈めて底バチ狙いにも。
ハイドロアッパー55S 55mm、5.5g
パンチライン60 60mm、5g
港湾部、運河などのクルバチや常夜灯の明るいところ、一度チェイスがあった後のフォローで多投する。
ルアーカラーは、バチに似たカラーが基本で、茶色や赤、緑、黒などのバチ用ナチュラル系カラーとナイトゲームとして定番のパール、チャート、ピンクなどのアピール系をバチの量や常夜灯の明るさ、シーバスの活性によって使い分けます。また、シーバスルアーとして定番のイワシやボラなどのシルバーホログラムは使うことが少なくなります。
ルアーが5g~15g程度の比較的軽量なルアーが多いバチ抜けルアーを操作しやすくできるだけ遠くに飛ばすためには、ラインを細くするPE0.6~0.8号、リーダーは10~16LB程度が必要です。
最後はロッド。シーバスは口を大きく開けないでバチを吸い込むような捕食をします。ロッドのティップが柔らかいと捕食するときにルアーが口に入りやすくなります。また、軽量ルアーを操作しやすい長さ、運河などの小場所や手すりがあるような場所でのキャストのし易さを考え、グランデージSTD83Lが最適なロッドとなります。
バチ抜け予想
一通りバチ抜けを説明させていただきましたが、今年も例年通りのバチ抜けが起こる!と予想できます。3月下旬、ちょうど川バチが終了し、港湾部が始まろうとする頃です。桜の開花が昨年より早くなり、気温も上がってきています。例年では4月中旬以降が港湾部最盛期に入りますが、4月前半も可能性はあります。
シーバス入門にも最適
今年は10連休のゴールデンウィーク。旅行もいいけれど、近場でちょっと釣りするなら、シーバスがオススメ。釣りをしたことがない知人や友人に声を掛けて、シーバスを釣らせてあげるのも、バチ抜けを知っていればできます。
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