マツモトの開発手帖 【Foojin’の血脈―Zの編年史】  

5代目FoojinZ(ゼータ)に向けて

先の濱本さんのログで、次期FoojinZに向けてのアツい思いが書き綴られていたのを一瞥頂いた方も多いと思うが、少し前から5代目となるFoojinZの開発に着手している。

技術的な側面の仔細についてはおって記していくことにするが、用途目的に応じた最新のカーボン素材を弾性率やモデルごとに求められる特性によって試用しており、プロスタッフあるいは小職のSNSなどで意匠についても散見できる通り、ハンドル周りのコンポーネンツについても小さなものだが、新たに製作したものを採用する公算が高い。

 

工業製品としての素管製作/ロッドメイキングにおいて、意図した調子や使用感の具現化が第一命題であることは言うまでもないが、アンバサダーはもとより、実際に「Foojin’」を手にするお客様にも、想像を超える驚き、使用する歓びを感じられるものがそこに織り込まれていなければならない。「Foojin」の冠とはかくあるべき、というのが外様でもある小職が当該企画を手がけるにあたって第一義的に捉えている部分でもある。

 

APIAのシーバスロッドとして、円熟の域にある現行FoojinADシリーズに対しても、試すべき新素材の存在に目を瞑ることはなかったわけだが、ここで方向性について…言い方を変えると、FoojinADFoojinZに対する思いの乖離がアンバサダー及び社員の中でも露呈することとなった。

結論から言えば、Foojin本来の源流は「Z」に在り、先に触れたいくつかの新素材の特性を活かすべきは3代目FoojinADではなく、5代目となる「Z」となったのだが、営業統括・中平はじめ、小職や若いAPIAユーザーにはFoojinADの方が馴染み深かったことなどから、今一度、Foojinの歴史についても紐解いておきたい。

次項は、当該企画のキックオフにあたり、代表・宇津木がしたためたものであり、正直に言えば、APIA入社前は、「アピアのシーバスロッドってADでしょ?」という認識しかなかった小職にとって、FoojinZというシリーズの存在そのものをほぼ知らなかったのであるが、そこには連綿と続くAPIAイズムとでも言うべき血脈が存在している というお話。

是非、ご高覧いただきたい。

 

FoojinZ Chronicle Text by 宇津木善生

2003年に発売した初代FoojinZは前年に発売した「Foojingo」の上位機種としてリリースされた。

初回販売機種は以下の3つ。

当時、「湾奥のシーバスゲーム」を確立させた村岡昌憲の出現による、「鬼掛けティップ」を搭載した初の湾奥シーバスロッド”ネオンナイト”。

RED中村が富津のウェーディングゲームや那珂川のランカーシーバスを視野に入れ、キャストファイトランディングに至るまで徹底的に「パラボリックアクション」にこだわったウェーディングモデルのフロウハント。これに加え、橋脚や乱杭などからランカーシーバスを引き剥がす近距離パワーファイトモデル・ビーストブロウルという3機種のラインナップ。

シチュエーションに特化させたFoojinZの登場は、新しいシーバスゲームの幕開けを予感させた。

 

その後、FoojinZはシーバスシーンの隆盛をリードしながらモデルチェンジを重ねていくこととなる。

2006年、高弾性低レジンブランクに生まれ変わった2代目ゼータは、その年末にプロスタッフ・濱本国彦が高知で116cmのタイリクスズキをキャッチ。翌月、雑誌「ルアーマガジンソルト」の巻頭で紹介されると、高知のモンスタータイリクスズキの存在が全国に知れ渡るようになった。

 

2010APIAでは初の4軸カーボンを搭載した3代目「クワトロゼータ」をリリース。

現在のAPIAのフラッグシップモデルの骨子となる4軸カーボンは、このクワトロゼータからスタートすることとなる。

さらに、2013年にはグローブライド社からカーボンガイド・「AGS」を、社外製品として初の供給を受けることとなり、フル4軸ブランク+AGSを搭載した4代目「AGSゼータ」が登場する。

 

振り返ってみれば、FoojinZはただ高額なだけのシーバスロッドではなく、APIAのシーバスロッドの原点であり、時に当時のシーバスシーンを牽引する存在であった。

なぜFoojinZがそのようなシリーズたりえたのか?

APIAには現場から時代をリードしていくアンバサダーがおり、常に”現場サイド”と”開発サイド”の両面で新しいチャレンジを続けていたからに違いない。

しかしながら、反省点もある。

3代目と4代目は限定品にしたことにより、プロデュースしたアンバサダーの使用期間が短かかったことだ。

6年ぶりに復活する5代目FoojinZは限定品ではなく通常のラインナップとして、FoojinADと共棲させていく。

現場のアンバサダーと、フラッグシップモデルFoojinZが、再びシーバスシーンのど真ん中に向かっていくためには”現場サイド”と”開発サイドの両者が、常にチャレンジし続けていかなければならない。
参照:
https://www.apiajapan.com/about/history/

 

APIAは最もトンガッたシーバスロッドを作ろうとしている」

次稿では、今、何をしているのか?また、どんなものをカタチ作ろうとしているのかについて触れてみたい。

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